必ず和合和睦の思いを生ずべし~東豊田中学資料②

 

必ず和合和睦の思いを生ずべし
けいざんぜんじとうこくき
瑩山禅師『洞谷記』
瑩山禅師は「縦使、難値難遇の事有るとも、必ず和合和睦の思いを生ずべ
し」とお示しになられました。「たとえ、どんな困難に直面しても和合和睦
の思いを忘れてはいけません」という意味です。
禅師が切に願った和合和睦の精神こそ、争いや憤りの心を静め、人と人の
心を強くし、平和で幸せな世界に向かうための原動力です。
禅師は晩年『大悲の御誓願』と言われるお誓いも立てられました。それは、
この世に迷い苦しみ悲しみ悩める衆生がいる限り、私は未来永劫にわたって
最後の一人が成仏し救われるまで衆生を済度し続けるのだ」という大慈悲の
お誓いでした。
慈悲心とは自分の修行を途中で辞めてでも困っている人や苦しんでいる人
がいたら救済する観音菩薩のお姿です。禅師は六十二歳で御遷化されました
が、その精神は、残された多くのお言葉、そして、その教えを相承した多く
の弟子たちによって今もなお受け継がれています。
『喫茶喫飯』も禅師のお示しです。
「茶をいただくときには茶をいただく事だけに専念し、飯を食するときは飯
を食することだけに専念する。」
毎日のなに気ない行為もその行為に専念して取り組む事。その行いの積み重ね
が、この世の縁起(この世はすべてもちつもたれつ、相互依存の関係で成り立っ
ている)に気づき、自ずから和合和睦の心を起させるのだと思います。太祖瑩山禅師
谷田山東光寺住職石田泰光合掌

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