非思量NO.391 御征忌会

御征忌会ごしょうきえ

高祖道元禅師のご命日

 建長五年(1253年)、今から772年前の秋なかば頃、高祖承陽大師道元禅師は54歳の若さで御遷化されました。道元禅師は亡くなる年の正月に「八大人覚」を説かれました。八大人覚とは、人としての理想を得るための原因となる八つの正しい生活態度のことで、実践すれば結果として迷いや苦しみを離れることができるとする釈尊の教え「四諦(4つの真理)」の一つ道諦を説いたものです。

【八大人覚】
少欲しょうよく…欲が少ないこと。まだ手に入れていない五感で感じる欲を追求しないこと。
知足ちそく…足ることを知ること。既に手に入れたものの中で、それを受け取るのに限度を知ること。
楽寂静ぎょうじゃくじょう…煩悩を滅ぼした涅槃の寂静を願うこと。すべての騒がしい環を離れ、静かな
場所に一人住むこと。
勤精進ごんしょうじん…勤め精進すること。多くの善法を休みなく勤め修めること。
不忘念ふもうねん…仏の教えを心に念じて忘れないこと。
修禅定しゅぜんじょう…坐禅を修めること。寂静の法に住して乱れないこと。
修智慧しゅちえ…解脱の智慧(仏の教えを聞いてそれを思惟して修行した悟り)を修めること。
不戯論ふけろん…無益な議論をしないこと。仏の教えを悟って妄想分別を離れること。
 毎年、大本山永平寺では秋分の日から両祖忌までの7日間(9月23日~29日)、修行僧と共に、全国から多くの僧侶、檀信徒が集まり、御征忌会という道元禅師への報恩供養の法要が勤行されます。
 道元禅師の遺言とも言える八大人覚を胸に、報恩感謝の気持ちをもって連日法要が行われます。

アクセスカウンター