三宝御和讃に親しむ
先日、檀信徒の皆様と貸切バスに乗って
日帰りの研修旅行に行ってきました。バスガイド
さんはとても明るく、人柄の良さが全身から溢れ
ているような方でした。そのガイドさんが配布した
しおりを見て言いました。
「私のお婆ちゃんはいつも三宝御和讃をお唱え
していました。」


三宝とは仏、法、僧(僧伽)のことです。
仏宝とは、お釈迦さまをはじめ、多くの仏さまを意味します。
法宝とは、お釈迦さまご一代ご説法と祖師方のみ教えのことです。
僧宝とは、お釈迦さまの直弟子である迦葉さまをはじめとする歴代のお祖師さ
ま、私どもの身近におられる僧侶、仏の教えを信じ、共に向上する努力を積み重ねている仏教徒を意味しています。
これら仏法僧の三つを帰依する源と定め、三帰戒とも言います。私たち仏教徒の原点は、この三帰をお授けいただくことにあります。
ですから、日頃から「南無帰依仏、南無帰依法、南無帰依僧」と唱えましょう。「南無帰依」の「南無」は、仏・三宝に帰順して真を捧げることであり、「帰依」とは、すぐれた者に帰投し依伏すること、つまり信仰することですから、「南無帰依」とは「おまかせ+おまかせ」という意味になるのです。「おまかせ」ですから、自分の我執をすっかりと捨て去って「仏さまの懐に飛び込んで、仏のほかに思いを寄せないこと」です。
いつもお婆ちゃんのお唱えする「三宝御和讃」を聴いて育ったバスガイドさんも我執が見えず、その場を明るくしてくれる仏心をもった人のように思えました。