非思量 NO.369

四弘誓願文しぐせいがんもん~はげまし、はげまし合って~

 この偈文は仏教を信じる者として、心にとどめておくべき4 つの誓いが書かれたものです。

①苦しみ助けを求めている方はたくさんいますが、全ての人が幸せになれるよう手を差し伸べます。

②自分勝手な気持ちは尽きることなく湧き上がってきますが、常に断ち切るように努力します。

③仏教の教えを学ぶことは限りのないことですが、いつまでも学び続けていくよう心掛けます。

④仏さまの生き方は、とてつもなく偉大なものですが、くじけることなく実現し続けていきます。

 この偈文の4 つの誓いを実践することは、とても難しいことです。だからこそ誓いを忘れないために、誓いを守る力を湧き出すために、いろんな場面で唱えるのです。そして誓いを守るように歩み続けることが、仏教をよりどころとする人びとの行いであり、幸せへの道です。

 4 つの誓いを実践するための大きな考え方は「自利利他」です。これは、自分のためにすることと他人のためにすることを区別しないことです。

 例えば友人に勉強を教えてあげる時。教えてあげるつもりが自分にとっての復習になり、よりその内容がわかってくるのではないでしょうか。そしてもっと良いことは、他人のためになることをすると嬉しく心地よい気持ちが生まれてくることです。他人のためにしたことが自分のためにもなります。

 自分と他人を区別せずに何かをしようとすることが仏の生き方です。

 「四弘誓願文」は、自分のためだけにお唱えする偈文ではなく、皆と一緒に歩み、助け合い励まし合って進んでいきましょうとお唱えするための偈文なのです。

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