令和六年 二月後半の法話「自灯明 法灯明」

令和六年二月の法話

自灯明 法灯明じとうみょう ほうとうみょう 二月十五日 涅槃会ね は ん え

二月十五日は、お釈迦さまが入滅され涅槃に入られた日(涅槃会) です。長年、説法の旅を続けたブッダが八十歳になったある日の事です。
いつものように弟子を従え、教えの旅に出かけましたが、途中で体調を崩したブッダは自分の命もあとわずかだと悟りました。
クシナガラという村に着くと二本の沙羅双樹の樹の間に横たわり静かに最後の時を待ちました。
弟子たちはブッダがいなくなってしまったら何を頼りに生きればよいかと心配し悲しみました。
ブッダは悲しむ弟子たちに「私の死を嘆き悲しむな。生まれたものは必ず死ぬ。これは誰も免れぬことはできない。だが死ぬのは私の肉体である。本当の生命は私が説いた教え( 法) の中にある。それに気づいて実践するならば、そこに私は生きているのだ。自らを灯明とし、法を灯明とせよ。」
と教えました。そして、「すべてのものは無常であり、常に変化している。私とて例外ではない。怠ることなく修行に努めなさい。」と語りかけ、生涯を閉じられました。
ブッダは何千何万の人々から尊敬され、亡くなられた後も弟子たちによってその教えは、世界中に川の流れのように広がっていきました。
そして、その教えを信じる人たちから、お釈迦さまと呼ばれるようになったのです。
二月十五日は、私たちが信じる仏教のみ教えが灯された日でもあるのです。

谷田山東光寺 住職 石田泰光 合掌

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