当山の坐禅会では、坐禅後の朝のおつとめの最後に四弘誓願文のお唱えをします。この偈文は、仏教を信じる者として心に留めておくべき4つの誓いが書かれています。
衆生無辺誓願度
・苦しみ助けを求めている人はたくさんいますが、全ての人が幸せにな れるよう手を差し伸べます。
煩悩無尽誓願断
・自分勝手な気持ちは尽きることなく湧き上がってきますが、常に断ち 切るように努力します。
法門無量誓願学
・仏教の教えを学ぶことは限りのないことですが、いつまでも学び続け ていくよう心掛けます。
仏道無上誓願成
・仏さまの生き方は、とてつもなく偉大なものですが、くじけることな く実現し続けていきます。
この偈文の4つの誓いを実践することは、とても難しいことです。
だからこそ誓いを忘れないために、誓いを守る力を湧き出すために、いろんな場面で唱えたいです。
誓いを守るように歩み続けることが、仏教を拠り所とする人びとの行いであり、幸せへの道です。
この4つの誓いを実践するための大きな考え方は「自利利他」です。
これは、自分のためにすることと他人のためにすることを区別しないことです。他人のためになることをすると嬉しく心地よい気持ちが生まれ、他人のためにしたことが自分のためにもなります。
自分と他人を区別せずに何かをしようとすることが仏さまの生き方です。 「四弘誓願文」は、自分のためだけにお唱えする偈文ではなく、皆と一緒に歩み、助け合い励まし合って進むためにお唱えする偈文なのです。