非思量 NO.289

無知とは   般若心経を学ぶ⑥

 
 無無明  亦無無明尽  乃至無老死  亦無老死尽 むむみょうやく むむみょうじん ないしむろうし やくむろうしじん

 空の中では無明もなく、また無明が尽きることもない。更には老いることや死ぬこともなく、老いることや死ぬことが尽きることもない。
 
 「無明」とは無知のことでみ仏の智慧を持たないことです。
 智慧を持たないということは、自分の足元を照らす光を持たないで、暗闇をさまようような不安で恐ろしいことです。これを根本無明といって、放っておくと人はこの無知に振り回されることになります。不安や恐怖心や絶望など、すべての煩悩の根本は、この「無明」から始まり「老死」で終わります。これを十二支縁起(十二因縁)と言い、これもまた仏教の有名な教えの一つです。

 十二支縁起の様子は、無反省な人の一生の姿であると言われます。誰でもこの無知の恐ろしさを反省して、強く正しく生きたいです。そのために「空」というみ仏の智慧を自分の足元を照らす光としなければいけないのです。

アクセスカウンター