曹洞宗 谷田山東光寺

非思量 NO.273

念念従心起念念不離心

『延命十句観音経』を学ぶその10
延命十句観音経の最後の連句は、「念じ念じて心より起こり、念じ 念じて心を離れず」という意味になります。最後に同じ意味の言葉を 重ねることには意味があります。
帰依三宝も同じです。「南無帰依仏南無帰依法南無帰依僧」と 繰り返し唱えます。三回繰り返す事は、心を不動のものにし、そのも のと一つになりきる力となってくるからです。
私たちは、仏さまや観音さまのようになろう、一体になろうと念仏 を唱えたり念じたりします。しかし、一度唱えただけでなれるもので はありません。唱え唱えて、念じ念じて、終わりのないのが信仰です。
しかし、逆にこうも考えられます。仮に百万遍唱えて観音さまと一 体になれるとしたら、その百万分の一も観音さまなのだ。大海の水と、 一滴の水と、別々ものではないというところに気づくと唱えたってし ょうがないという気持ちにはならないのです。
念じて念じて、観音さまと一体となって生きている人は、仏さまの お使い役としてこの世に生まれた人(如来使)です。 そういう方を見かけたとき、同じ人間なのにこうも違うのかと思い ますが、人は人、自分は自分と思わずに、その方に少しでも近づこう と思うことが大切です。近づかせるために仏さまが如来使を差し向け てくださったと受け止めることが大切なのです。
『念念従心起念念不離心』は、そのように生きようと自分自身に 誓いを立てる言葉なのです。