曹洞宗 谷田山東光寺

2018年4月8日坐禅会より~お釈迦さまの降誕祭(花まつり)のおはなし

本日(4月8日)の坐禅会でお釈迦さまの降誕祭(花まつり)に因んだ法話を行い、甘茶を振舞いました。

天上天下唯我独尊 ~4月8日 釈尊降誕会~

今日、4月8日はお釈迦さまの誕生をお祝いする「花まつり」です。
お釈迦さまはお生まれになってすぐ七歩歩いて立ち止まり、右手を天に、左手を大地に向け、「天上天下唯我独尊」(世界中で私は最も尊いものである。それと同じくすべての命は皆尊いのである)とおっしゃったと言われています。
先日、地元中学校の入学式で新入生の皆さんにこんな話をしました。
「皆さんは今、中学校に入学して期待と不安でいっぱいだと思います。勉強はついていけるかな、部活が楽しみだな、先生や先輩は怖くないかなと、様々なものの見方で中学生の自分を思い描いているのではないでしょうか。皆さんはもうわかっている人が多いと思います。この世の中が自分中心で回っているのではなく、多くのものが関わり合って成り立っている事を。ですから、自分の思うようにならなくて悩むこともあると思います。それでも、生きていくためには自分で決断しなければいけないです。人生は決断の連続です。毎日毎日、一瞬一瞬、決断しなければいけないです。そういった時に自分にとっても関わる人たちにとっても良い決断ができるかどうかは、自分がそれまで積み重ねてきた経験からしか得ることができません。いくら本で調べても、スマホで検索しても知識や情報は得られても、決断する力は経験からしか得られないのです。これからもっとAIの時代になっていくと言われますが、自分の決断までAIに任せたら、まさしく映画に出てくるようなAIが支配する世界になってしまうと思います。これからの未来を受け継ぐ若い皆さんには、ぜひ多くの経験を得られるように、中学三年間、多くの事に挑戦してほしいです。自分から挑戦し、うまくいかなくても、それは失敗ではなく、次への経験となります。中学校の三年間は、いろいろな知識を習得して、経験を積んでいる時期です。未完成進行形の存在だからこそ悩むことも多いと思いますが、自分の大切にしているものをいつも一人で静かに振り返りながら、挑戦する日々を送ってください。」と…このような話をしました。
自分を磨き、尊ぶ生活を送れれば、周りの命に対する尊ぶ心も自然に身に付くと言うのがお釈迦さまのみ教えでもあります。
「天上天下唯我独尊」とは自尊心=他尊心であることを教えてくれる言葉でもあります。

花まつりに甘茶をかけるわけ

4月8日は、釈尊(お釈迦さま)のお誕生日です。仏教の御開祖、お釈迦さまは、およそ2500年前のインドで生まれました。
お釈迦さまが生まれた日は誕生をお祝いするようにたくさんの花が咲いていました。それで、花まつりと呼ばれるようになったのです。
花まつりには、白い象に乗った誕生したばかりのお釈迦さまをお祀りします。お釈迦さまの母親であるマヤ夫人がお釈迦さまを産む前に夢を見ました。夢の中で、六本の牙を持つ白い象が、マヤ夫人の身体の中に入ってきました。マヤ夫人が目を覚ましたとき、お腹には赤ちゃんができていて、それがお釈迦さまであったという伝説があります。その伝説から花まつりにお釈迦さまを上に乗せた白い象が登場するようになったのです。
また、お釈迦さまがお生まれになったとき、九頭の竜が天から甘いお水(甘露)を吐いて、お釈迦さまのはじめてのお風呂(産湯)にしたという伝説もあります。
この伝説から、花まつりでは誕生したばかりのお釈迦さまの像に甘い水をかけるようになりました。本当は五香水という5種類の香水を合わせたものを使いますが、今では甘茶にしているところがほとんどです。甘茶は、アマチャヅルという植物の葉を煮て作ります。アマチャヅルを赤ちゃんの頭にこすると元気な赤ちゃんに育つと言われたことから、子どものお祭りでもある花まつりに使われるようになりました。
本日は、この後の茶会で甘茶をお出しします。
仏教を開いたお釈迦さまと、健康に育つことを願って産み育ててくれた親御さんに感謝しながら甘茶をお召し上がりください。